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りの論理をまくし立てます。年下の三男に対しては、やはり兄と同じように威圧的な態度をとっておりました。そんな中での三男は、ふざけたり、はしゃいだりで大声を出すことはあっても、いざという時、全く自分の気持ちを外に出すことをしませんでした。どんなに些細な事であっても、兄達に対して「イヤ」という一言さえ出しませんでした。子ども達に聞くと、学園では子ども同志の間で、絶対に年上の者に逆らってはいけないという暗黙の了解があったといいます。
末っ子の場合、駄々をこねたり、こっそり親に言いつけたりということがあってよさそうな気がしますが、彼の場合全くそういうことがなく、ただひたすら貝のように黙り通すか、一人部屋で拗ねていることが多く、こちらが何を聞いても何も応えようとはしませんでした。しかし、家では我慢の子であった彼もひとたび学校に行くと、ちょっとしたことですぐカッとなり、女の子や自分より力の弱い子に対して手や足がでてしまい相手に大怪我をさせてしまうことがたびたびありました。
そういった彼ら三人の行動は、それぞれ形は違うけれども、そのどれもが、自分を包み込むようにしっかりと受け止めてほしいという欲求の表れだと感じてはいたので

 

 

 

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